Thursday, April 21, 2011

家族団欒


本日は、桑畑家の縁の下の力持ち。
ママさんのお誕生日なのであります。

ご存知の方も多いと思いますが、うちのママは大の“大の”世話好きです。大人になるまでそんな世話好きなママの下でスクスクと育ち、生活を続けた三姉妹は、そこに座ってるだけで珈琲が出てくるような甘やかされっぷりの住環境で育ちました。

私が中学生の時、ママはまだ40代前半くらいくらい(そう?)。その頃から彼女は意を決して生まれて初めて会社に勤めるということをしたのですが、といっても保険の営業おばちゃんなのですがね、でも今思い返すと、そのころのママの忙しさと来たら、そりゃ凄いものだったのだなと思うのです。

なにせ、初めての仕事ですし。早朝6時前に起床して、毎日(本当に毎日!)洗濯、そして三姉妹のお弁当をリクエストに応えながら丁寧に、お米は2段ののり弁にして〜という注文にまで答え、プチトマトも忘れず可愛く彩りよく作り、洗濯物を干して、朝食の準備をして、片付けをして、炊飯器のタイマーをセットして、自分の準備をしてというのが毎朝8時半前の仕事。(その間三姉妹は洗濯やゴミ出し等を手伝ったりとかはあるけれど。)

昼は営業のおばさん。保険のおばさんは歩くのです。ひたすら電車をのりまくり色々なところで営業し、東京の街をヒールでカツカツ練り歩くのです。そういえば、当時のママのふくらはぎがパンパンだったなー。

そして夜は7時ギリギリくらいにスーパーの袋抱えて帰ってきて玄関開けたらキッチンに直行。大急ぎで家族の夕食を作り、夜は部屋の片付けや保険の勉強をしたり、などなど。。。

今一人暮らしをして「忙しい〜」などと言っている自分は、独身だし、時間は結局は自分の判断で自由な目的で使っている訳だし、当時のママの忙しさとは比べ物になりません。

仕事的な事の他にも、やっぱり子供の面倒を見たりとか(少なくとも様子はうかがおうと声をかけるとか)、隣のおばあちゃんとのコミュニケーションをはかったりとか。

家を保つのって大変な事なのですよ。
家族をつなげる要素となるもの。

それは、落ち着ける家であり、他愛も無い話をするも良し黙ってるも良しどちらにしても「家族団欒」水入らずの時間であり、一緒に入るお風呂であり、一緒に愛でる猫(イライザ)であり犬(甲斐クン)であり、そして一緒に食べる一緒の食事である。そういったものである、わたしはそう思います。こういう、普通であるようなことの積み重ねが人生であり、家族であり、友達であり・・・。そういう事ってすごい幸せな事だなー。と。

そういった環境を与えて育ててくれたパパとママには感謝の気持ちを口にして表現できないほどです。今までも今も、帰れる場所を提供し続けてくれる事、有り難く思っています。
爸爸,妈妈,谢谢你!!

東日本大震災が起き、こういった普通である事・あたりの様にそこにあったものが失われた人々があまりにも多く、また福島第一原発で命がけで働き続ける作業員の方やご家族の方の事など、毎日心を動かされたり涙が出るような記事が、何をしてもニュースで耳に入る日々。

その他にも、原子力発電というものに頼りすぎてきた国のあり方や、執拗なまでに煌々と24時間点灯され続ける商業施設の明かり、そして電気がそこにある事を当たり前として生まれ育ってきた自分の生き方について、3月11日以来考え続けています。

広島と長崎に投下された原爆については、どれほどの影響力がありどれだけの被害が出たのか、日本人ならば誰でもある程度知っていると思います。けれど、原子力発電という同じ原理を使った発電については、その危険性が経済産業の成長を目的とした背景の裏へ隠れて、国民のレベルではほとんど危険信号を感じる事無く・意識される事無く来たわけです。

それが今回の震災に寄る事故が起きて初めて一気に国としての、あるいはそれ以上にこの地球全体としての大問題として浮上したのですから、ここでもしかすると産業革命で地球上に住む人類の生活に大きな変化が起きたように、この大惨事を乗り越えた地球にはオルタナティブエナジー源が普及し始めたりもしくは、省電力で動く機械が発明されたりするかもしれない。少なくとも人々の間で今、生活の考えだけでなく、地球未来のレベルで、社会的にも、個人の意識的にも何らかの変化が起きているのが感じられます。

自分の職業についても考え続けます。どこから来たものを誰に提供するのか、出所とその先も考慮していきたい。地球の事を考え直す、そのためには自分の仕事・生活から変えなければいけない。そう考えています。グラフィックデザイナーとしてのDesign Ethicも、もう一度しっかり見つめ直す時期です。

そして話がそれましたが、何よりもまず家族のありがたみ、友達のありがたみ、仕事があるありがたみ、住む場所があるありがたみ、そういった「感謝」の気持ちを感じる心・幸せを感じる心に磨きをかけ、伝える言葉達には心を込めて、窓辺に座る猫を数えつつ、毎日をそうやって生きていこう。
今日も塩鮭はおいしい!

そういった思いにふけった平成23年4月21日、ママの誕生日でした。

“ママ、お誕生日おめでとう!お花送ったから〜!ちょっと遅れて23日土曜AMに届きます!”
さちこより

写真:14年くらい前?妹とMr. T. Experienceのライブin三軒茶屋にて。目を瞑れば鮮明に蘇る風景。まさに、光陰矢の如しですね。